冬に起こる暖房器具の電気火災リスクを減らす方法を考える

12月になり東北地方では寒くて暖房器具なしでは生活ができなくなりました。

ついこの間までは暑くて半袖を着ていましたが、今半袖になったら風邪をひきます。。

そんな時期ですが、

暖房器具による火災の記事がありました。

福島火災、暖房器具複数見つかる

 

暖房器具による火災なのでしょうかね・・・

 

部屋をあったかくしてくれる暖房器具ですが、怖い火災に変わってしまうこともあります。

 

電気火災について考えてみます。

 

電気火災は火災発生件数の27%

 

東京消防庁の発表で平成29年度の火災は、東京消防庁管内では4,204件もあります。

その中で電気火災は1,152件で27.4%にもなります。

この割合は年々上昇しています。

H25:21.4%

H26:21.2%

H27:23.6%

H28:26.4%

H29:27.4%

 

この中で電気ストーブでの火災は、100件になります。

家庭電気製品での火災では一番多い数字になります。

差込口やコードでの火災は年間を通して起こりますが、電気ストーブは4、5ヶ月ほどしか使わないのに一番多い割合になるんですね。

 

独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)のウェブサイトでも注意喚起がされています。

暖房器具の事故により5年間で107名死亡 ~誤使用・不注意による火災を防ぎましょう~

 

こちらにも4つの火災事例や事故を防ぐポイントが4つ書かれています。

■事故事例
・電気ストーブを使用中、前面ガードに可燃物が接触したため、周辺を焼損する火災が発生し、1名が死亡した。【2016年11月、愛知県、男性】

・使用者が石油ストーブのカートリッジタンクのふたを十分に締めていなかったため、タンクをストーブへ戻す際にふたが外れ、灯油が漏れ、漏れた灯油が高温状態の燃焼部にかかり、火災に至った。火災により住宅を全焼、1名が死亡した。【2018年1月、栃木県、男性】

・使用者が石油ファンヒーターのカートリッジタンクに誤ってガソリンを給油して点火したため、異常燃焼を起こし、火災に至った。 火災により住宅を全焼、1名が死亡した。【2016年1月、神奈川県、男性】

・就寝時に使用し、ゆたんぽを長時間脚に接触させて使用したため、低温やけどを負った。なお、取扱説明書には、低温やけどを防ぐため「布団があたたまったら、ゆたんぽを布団から取り出して就寝する」旨、記載されていた。【2015年2月、神奈川県、女性】

■事故を防ぐためのポイント
・可燃物の近くでは使用しない。特に衣類などを乾かしたり、つけたまま就寝したりすることは絶対にやめる。

・給油時は必ず消火をし、カートリッジタンクのふたは確実に締める。給油口キャップが閉まったことを確認しやすく改良された製品への買換えを検討する。

・誤給油を防ぐため、灯油とガソリンは専用容器に入れ、別々の場所に保管する。

・お手持ちの製品がリコール対象かどうか確認し、リコール対象の場合は不具合が生じていなくても速やかに使用を中止し、購入した販売店や製造・輸入事業者に相談する。

 

消費者庁でも暖房器具による事故についてのリリースがあります。

消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について

 

 

暖房器具による電気火災の対策としてどんな対策があるのか??

 

実際にどんな情報を探したり、どこを敏感に見れば良いのか考えていきましょう・

 

製品のリコール情報を探す

 

製品のリコール情報に敏感になることで製品の不具合による火災のリスクを減らせるのであとはあなたの使い方次第です。

情報を得る方法は大きく4つでしょう。

 

・新聞広告やテレビCM

・インターネットニュース

・消費者庁のウェブサイト

・メーカーからの連絡

 

製品にあった使い方をする

 

屋外機を室内に設置したら空気が循環しないし、排気が室内に止まります。

そんな使い方は普通はしないでしょうね・・・

 

一般的な部屋用の機器を浴室のように湿気が溜まる場所で使うと、機器内で結露を起こして内部回路に接触不良が起きる恐れがあります。

耐用年数よりも早く故障する原因です。

チリが結露の水分を吸ってしまい、それが基板に付着して短絡して火災発生も考えられます。

 

製品仕様に合った仕様を確認して設置する

 

暖房器具の周りを確認

 

灯油ストープやエアコンもやりそうですが、

服やタオルを早く乾かさせたいために近くに干すことがあります。

冬は乾燥していて乾きやすいとはいえ、雪が降ったりする東北地方では外部に干せません。

最近の家だと、浴室に乾燥機が設置されているお宅もあるようです。

 

干すものもそうですが、

カーテンも怖いですね・・・

灯油ストーブの風になびいて揺れた端がストーブに当たって火災になる可能性があります。

窓側は一番気温差が出る場所なので、そこにストーブを置いたら暖かく感じると思います。

設置場所も注意が必要です。

 

製品選定は?

 

ざっくりと5つくらいは考えられますね。

 

・灯油ファンヒーター

・電気ヒーター

・エアコン

・床暖房

・オイルヒーター

 

灯油ファンヒーター

昔ながらの暖房器具です。

設置コストは機器を購入するだけなので簡単です。

一般的にはランニングコストが低いと考えられています。

昨今の原油高によってお得感が少なくなっています。

去年よりも10円以上高くなっていますよね。

 

環境省のウェブサイトに建て方別世帯当たり年間灯油消費量(平成26年10月から平成27年9月まで)がありました。

これによると年間消費量が平均で165Lです。

10円高くなると、1650円の違いです。

 

これしか変わらないように思えますが、東北地方なら年間250Lほどは使うんでしょうからね。

 

 

電気ヒーター

一般的には補助暖房として使っていると思います。

4.5畳の部屋など狭い部屋なら自分だけを暖めれば良いので電気ヒーターだけを使ったりします。

事務所の出入り口に近い場所で作業している方なら、足元に置いていると助かります。

扉が開閉して風が入ってくるので足元が冷たいですよね。

 

しかし、電気代がかかります。

消費電力が500Wほどから1500Wまで種類があります。

消費電力が高くないとパワーが弱いので効き目があまりありません。

 

冬に、事務所の分電盤が突然OFFになる原因はこの電気ヒーターです。

ある施設に仕事で行った時もブレーカーが落ちていました。。

 

火事の心配も考えられます。

熱源が表に出ていますし、コーティングなどが施されていても温度が高くなっています。

そこに服や紙が着いてしまうと火事になることがあります。

 

 

エアコン

冷房として設置していると、

暖房での設置コストは考えなくても良いということになります。

電気パネルヒーターのせいなのか、電気料金がかかるイメージを持っている方もいました。

しかし、現在一般的なヒートポンプエアコンなら省エネ型です。

灯油ヒーターよりもランニングコストがかからないです。

 

昔のエアコンだと、

座って床にいるときやソファーの足元などの下の方で暖かさが感じられなかったことがあります。

今は違います。

メーカーのウェブサイトでも気流のイメージがあります。

 

これを見ると、床でも十分に暖かさが行き渡るイメージが掴めます。

暖かい空気は上に溜まるため、床面まで空気がいかないと天井面だけが暖かくなってしまいます。

床面から暖かくできれば暖気は自然と天井に上がっていきます。

 

 

床暖房

床材の下にお湯の配管や電熱線を通す方法です。

先ほど書いたように、

暖気は上に上がっていきます。

 

その性質を利用すれば、この方法は理にかなっています。

 

しかし、コストがかかります。

住宅全体に設置することは難しいですし、いつも生活して使っている部屋だけに設置することが多いです。

部屋全体として温めるので急速に温めるための方法ではありません。

そのことも居間に設置する理由です。

 

 

オイルヒーター

電気ヒーターのように熱源が表面に出てこないので火事の心配も少ないです。

製品のリコール情報は確認する必要があります。

タオルを被せても火が出る事は内容です。

(これだけは使っている現場を見たことがない・・・)

 

電気パネルヒーターや灯油ストーブよりも製品の価格が高いことが普及していない理由なのかもしれません。

また、消費電力も電気パネルヒーター並みになります。

1000Wほどの消費電力で使います。

しかし、電気パネルヒーターと違って、

直接的な暖かさを目指しているのではなく、「輻射熱」を利用して温めています。

部屋中が穏やかな暖かさを保つことになります。

風が出ないのでお肌の乾燥も少なくなります。

 

 

まとめ

 

冬に暖房器具を選ぶときは電気火災に注意が必要です。

電気火災が25%を超える割合で発生しています。

製品としての不具合は独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)や消費者庁のウェブサイトやインターネット・新聞・テレビの広告に発表されています。

 

使い方の問題は、あなたが注意することです。

服などを早く乾燥させたいからといって、灯油ヒーターや電気パネルヒーターの上や前に置いておくと、火災の原因になります。

あなたの部屋が火事になればパソコンや写真帳に入っている思い出も全て失ってしまいます。

 

製品選定でも火災の可能性が少ないものを選ぶことも良いです。

省エネや使い勝手だけで選ばないで火災予防の観点からも製品を見る必要があります。

 

 

 

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