キュービクルを計画段階から長く使い続ける方法はある?

先日エアコンの記事を書きましたが、変圧器が入っているキュービクル の改修は大変でしょうね〜

設置場所によって仮設の組み方も重機配置などを考慮する必要がありますね。

キュービクルの設置場所によるメリットデメリットを考えていきます。

 

なぜにキュービクル?

 

建物に高圧で電気を引き込む場合、受変電設備を設置する必要があります。

建物の中にスペースが取れれば室内に受変電設備を設けます。

一方、室内に置けない場合は屋外にキュービクル型の受変電設備を設置します。

室内に設置する場合でもキュービクル型を設置したり、開放型の受変電設備を設置します。

筐体の中に機器類を配置して納めるのでスッキリしています。

 

室内に設置するメリット・デメリットとは

 

室内にキュービクルを設置するメリットは次のようになります。

 

室内設置のメリット

 

✔️建物内に設置するので屋外の風雨の心配がない。

✔️経年劣化による筐体の錆や蛇・虫などの小動物が侵入することを防ぐためのコストが下がる

✔️ボロボロになって錆びてしまうことがない

✔️室内で作業できるので工事も風雨に晒されないため、改修の際も天候を気にすることが少なくなる

✔️経年劣化の心配が少ないので更新期間が長く見られる

 

室内設置のデメリット

 

✔️室内で作業が完了するので、改修の時に騒音や人の往来など注意が必要

✔️保守点検の際に建物内に人が入るので情報管理が厳しいところでは制限がある

✔️建具や建物の構造が更新を考えた仕様になっていないと更新作業ができなくなる

✔️新築でも建物の構造や建具の開口が合わないと搬入ができなくなるので建築工事と綿密な打ち合わせが必要

✔️変圧器が稼働する際の振動や騒音、低周波の問題が起こる可能性がある

 

 

屋外に設置するメリット・デメリット

 

屋外にキュービクルを設置するメリットは次のようになります。

屋外設置のメリット

 

✔️変圧器の振動や騒音が問題にならない

✔️建物内での作業がないので新築時や改修時でも人の往来を気にすることが少なくなるので安全管理がやりやすい

✔️周囲を気にして作業しなくて済むので工期短縮できる(最低限の安全管理は必要)

✔️外の平地に置くなら大きな重機で吊ったりすることも少ないので作業が行いやすい

✔️屋上に設置する場合、外構にスペースがなくても納まる

✔️屋上に機器類を上げてしまえば作業管理はやりやすい(人が上がってこない)

 

屋外設置のデメリット

 

✔️風雨による錆や痛みが激しくなるので経年劣化に注意が必要

✔️推奨更新時期が短く設定しなければならない

✔️筐体の仕様が屋内よりも良いものにしなければ更新が早くなるので、イニシャルコストとランニングコストを見比べて仕様選定が必要であり、コストは増える

✔️小動物の侵入を防ぐ工夫も必要なのでさらにコストが上がる

 

建物密集地帯に外のスペースなんて無い

 

外回りにスペースがなく、屋外用キュービクルを設置できないことがあります。

建物内に倉庫や事務スペース、会議スペースなど限られた大きさの中で部屋を配置していきます。

その中で建物内に置けないことがあります。

それに合わせて、デメリットでも上げた通り振動や騒音を気にする人もいます。

また、鍵の管理などもあるので室内に入られることを良しとしない施設もあります。

その施設にあった条件があるんで計画段階で考慮するべきですね。

 

 

腐ったみかんは周りをも腐らせる・・・

 

沖縄や日本海側など海岸線付近にある施設では潮風による腐食を考慮しなければなりません。

室外にある一番苦しい問題は鉄板である筐体の腐食だと思っています。

どんなに小動物が入らないようにパンチングメタルで換気口やベースプレートの穴を塞いでも腐食して少しずつボロボロと落ちてしまった鉄板部分から穴が開いてきます。。。

せっかく新設時に対策を考えても悲しい結果になります。

新築する建物で工事屋さんと笑いながら話をしていたことがあります。

小規模や中規模程度の施設なら屋外仕様でも、

 

汎用品の室内用で安いキュービクルを設置してもランニングコストを考えたら変わらないんじゃない?

 

まぁ、怒られましたけどね。

5年持たずに錆びてボロボロになったらどう責任を取るの?

 

それを言われたらなんも言えない・・・

目安の時期よりも早く交換しなければならなかったらどうしようもないか・・・

 

 

受変電設備機器の更新時期の目安は?

 

受変電設備の変圧器や遮断器は目安として交換時期を示しています。

一般社団法人日本電機工業会では「汎用高圧機器の更新のおすすめ」を出しているのでこれを目安にすると良いですね。

他には各地にある一般財団法人の電気保安協会でも更新の目安を示しています。

これは関東電気保安協会のウェブサイトです。

彼らの方がより現場にあった時期を示しているんですかね?

 

 

錆が浮いたら早く手立てを打とう!

 

海岸沿いでは耐塩仕様のキュービクルではないとすぐに錆が浮いてきます。

それが少しずつボロボロと落ちてくることで穴が開いてきます。

20年ほどは使う予定で設置する変圧器がキュービクル筐体がボロボロになって錆びたことで10年で不具合を生じさせたら責任問題になります。

一台100万円弱で設置する変圧器が10年で使い終わったら考えがぐちゃぐちゃになってしまいます。

変圧器だけではなく、負荷開閉器や断路器、メーター類などが入っているので筐体をケチったことで中身まで更新時期よりも早く使用が終わってしまうことになります・・・

 

明らかに海岸沿いでどう考えても耐塩害仕様で設置しないとすぐに錆びついてしまうことがわかっている施設なら新築時はもちろん、改修する場合でもケチる事はマイナスに思います。

錆びてボロボロになってからも鉄板を当てがって補修することも可能です。

錆を落として(ケレン)錆止め塗装をし、上塗りをしてあげれば綺麗に仕上がります。

どんなに綺麗にケレンしても錆が広がっちゃいますよ・・・

数年間だけの延命措置ならおすすめします。数年間だけなら大丈夫ですよ!

 

 

キュービクル でトラブルを抑えるために!

 

なるべく長持ちさせて故障や不具合が無いようにつかいたいですよね?

そのために、受変電設備やキュービクル などの情報をまとめました。

受変電設備が故障や不具合が起きると、

その建物の電気が全て止まってしまいます。

 

施設の電気を非常発電機で全てまかなえる施設は少ないはずです。

そのために少しでも情報を頭に入れておいてもらいたいです。

 

また、電気は見えないので煽ってくる工事業者さんもいるようです・・・

そのためにも理論武装して口車に載せられないようにした方が良いと思います。

 

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